このページでは釣りにて出会う恐れのあるさまざまな危険な生き物についての対処法を伝授します。

釣り場においては稀にですが危険な生物に出会う可能性があります。そんな時にどうしたら良いかというと・・・・・・。

日本では最大にして最強と言っても良い動物が熊である。これに襲われた場合、しばしば致命的なダメージを覚悟しなければならない。
日本には北海道にヒグマ、九州と沖縄を除いた本州、四国にはツキノワグマが生息する。ツキノワグマは特に関東以西では小型のものが多いが、東北地方では2メーターを超えるような個体も多いので、油断はできない。またヒグマの巨大さと恐ろしさは、道産子なら皆聞き知っていることと思う。

俺の経験から言うと、元来が熊というのはノンビリした以外と間抜けな動物で、目の前で出くわすまで人間の存在に気付かなかったりする。ドン臭い、あるいは時によってかわいいしぐさから、熊さんと親しみをもって呼ばれる所以である。しかし間抜けな割りには巨大な上に力もスゴイので、まともに遣り合っていてはとても人間様に勝ち目はないであろう。鉈で撃退してなんていうのは、たいていは2メーターにも満たないチンコロ熊を相手にしてのものである(そしてそういう武勇伝の場合、えてして後での話は3メーターの大熊を鉈で撃退したという大げさな話になりがちなのだが)。この間抜けにして愛らしい熊さんとトラブルを起こさぬようにするには、人間が熊さんの間抜けさを補ってやるべく努力しなければならない。、

実際に熊に出くわすシチュエーションとして最も考えられるのは、やはり渓流釣りにおいてであろう。奥山に分け入る渓流釣りでは、常に熊と遭遇する可能性を考慮しておかなければならない。そしていざという時いかに対処できるかが、生死を分けることがあるのである。また東北や北海道では、例え開けた人家の傍でも熊が出没する可能性はあるということを、心に留めておくことである。

日本では古来、熊に出くわした時には死んだ振りをしろとか、目をじっと見詰めてにらめっこをすると良いんだとか、爆竹や鈴、ラジオでガンガン騒音を出してやれば熊は寄り付かないとか、腰のなたで脅かして追いはらうんだとかいう武勇伝まで喧伝されているほどである。しかし果たして一体どれが取るべき最善の対処法なのであろうか?貴方はいざという時にどうすれば良いかご存知だろうか?

アラスカで13匹の熊と遭遇し、ある時は3メーターの近距離で熊とにらめっこをし、ある時は真夜中に襲ってきた熊を撃退したこともある野垣が得た教訓を、ここでお話しよう。きっといざという時に、貴方の役に立つはずだ。

アラスカでは熊の生息数は日本の比ではない。それどころか人里をほんの少し離れれば、そこには熊の気配がムンムンしていると言っても良いほどである。そんなアラスカでは熊の被害も深刻なものがあり、当然野生の熊とうまくやっていくための対処法も広く受け入れられている。そしてそれらは非常に具体的であり、また実践的である。それをここにお教えしよう。

第一の原則、それは熊にはこれが絶対だという対処法がないことである。したがってこれさえやっていれば大丈夫だという法則などない。しかしそれでは対処のしようがないではないか、という失望の声も聞かれよう。落胆するのは早い。確かに絶対の法則はないが、一般的な対処のための法則は幾つか上げられる。

先ず、他のどんな動物でもこれは共通なのだが、野生の熊はいつもエサを探して歩いているということだ。そして熊は犬の仲間に近いから、視覚や聴覚など他の感覚機関より鼻がずっと発達しているし、熊は通常匂いを便りにしてエサを捜し歩いているということだ。もう分かったであろうが、食べ物の匂いをプンプンさせて歩いている人間は、熊にはエサとして映るということである。この場合、通常人間の持っている食べ物に熊は引かれる訳だが、稀に人間自体をエサとして捉える熊もいる。(人食い熊)匂いに関しては食べ物ももちろんだが、化粧品、歯磨き粉、シャンプーや石鹸、人間の脱糞の匂いまで熊を引きつけることがあるそうだ。アラスカでは、メンスの女はブッシュに入るなと言われているほどである。

次に熊は信じがたいことだが、本来非常に臆病な動物だということだ。熊は本能的に人間を恐れているし、自ら積極的に近づこうとはしない。ではなぜ熊の方から近づいてくるかというと、食べ物の匂いに引かれたため、もしくは自分の縄張りを犯されたと思って自己防衛のために敵の排除に乗り出してくる場合である。

最も恐ろしいのはブッシュの中などでいきなり熊に出くわし、熊をびっくりさせてしまうことだ。興奮した熊は自己防衛の本能にかられて何をしでかすか分からない。これは臆病なはずの熊が恐怖のために我を忘れてしまった最も危険な状態であり、こうなった場合には対処は二つしかない。何も武器になるものを持っていない場合、先ずできることは死んだ振りであろう。これは非常に大きな賭けで、無事に生き延びれるという保証はない。しかも無事生き延びられたとしても、致命的な重傷を負う覚悟が必要であろう。しかし他に選択の道はないから、やってみる価値はある。

ちなみにこの死んだ振りをする場合は、あくまで熊が実際に自分の身体に触れる行為に出た場合(これをもって実質的な攻撃とみなすようである)のみに限られており、脅しのために突進してきたり、あるいは2〜3メーター手前でにらみ合いをしている状況というのは、まだ死んだ振りをするには不適当な状況だと考えられている。また死んだ振りをする際には頭の後ろで両手を組んで後頭部を保護し、お腹を保護するためにアルマジロのように丸くなるというのが、良く取られている方法のようである。この際、背中にザックなどを背負っていると、より身体の保護のために有効だと考えられているが、俺は実際にこの方法を取らねばならぬほど逼迫した状況に陥ったことはない。大切なのは、このような状況を招かぬように常日頃から十分な注意を払うことなのだ。

死んだ振りは少なくとも数時間、長いときには半日以上という非常に長い時間、全く動かないで辛抱する覚悟が必要だ。熊はしばしば忍者的行動を取ることで有名であり、やっと傍にいなくなったと思っても近くでコッソリと観察しており、少しでも動いたと見るや飛んできて前以上に攻撃を振るうことが良くあるからだ。死んだ振りで失敗した人間の大半はここでやられる。いずれにしても死んだ振りは文字通り最後の手段であり、対処法としてはもちろん緊急時のみのものである。

また熊が死んだ振りをしているのにもかかわらず執拗に攻撃を止めず、明らかにエサとして食べようとすることがある。こうなると致命的だ。つまりその熊はハラペコの熊か、以前人間を食べた経験のある人食い熊の可能性が高いからだ。つまり人間を食物とみなしているのである。この場合には、上記の興奮した熊との違いは攻撃の違いで知ることができる。興奮した熊は、その興奮が収まれば攻撃を止めることが多い。つまり敵が全く動かないなど危機が去ったと感じた時、熊は時間の経過と共に次第に落ち着いて攻撃を止め、やがてその怒りの対象であった人にも興味をなくし、その場から立ち去ることが多いからである。

したがっていつまでも立ち去ろうとせず攻撃を止めない場合、それは食物としてみなされているからだと考えた方が良い。そうなると対処法はただ一つ、石でも良い、枝切れで叩くのでも良い、手に入る限りのどんな武器を使ってでも良い。とにかく熊を追い払うために命懸けで戦いを挑むことである。それ以外に人食い熊を立ち去らせる方法はない。こうなる時に備えて、鉈なりナイフなり、いつでも手近に武器になるものを用意しておくことは賢明なことである。しかしこれこそは最後の最後にとられるべき手段であり、先ずはもっと平和的な死んだ振りをしてみるべきであろう。熊に貴方が勝利できる確率は、残念ながら非常に低いと言わざるを得ないからだ。ただしこれもケースバイケースであり、相手が2メーターにも満たない小熊であった場合には、また違った意見が提出されることだろうが。

さて、上に述べたものは最も悲惨なシチュエーションのものである。大切なのは熊を驚かせない、つまり見通しの効かない茂みの中はなるべく避け、やむを得ず入る時は、人間がいるということを知らせるために、鈴を付けるなりラジオを鳴らすなり大声を上げるなりして、とにかく事前に人間の存在に気付いてもらうようにすることである。また匂いでおびき寄せないように、食べ物はあらかじめ真空パックに入れたり、不用意に持ち歩かないようにすることも予防のために必要である。

アラスカではキャンプ時の食料の保存場所は、必ずテントから50メーター以上離れた(できれば100メーター程度離れていることが望ましい)場所にすることが推奨されている。加えて調理の場所も同じくテントや食料保存場所から同距離だけ離れた地点、つまり3点を別々の頂点とした3角形を形作るようにするのが、ベストであると考えられている。また食料の保管場所も木の上に吊るすか、木がないところでは匂いを消すためにケースごと川に沈めてしまったり(もちろんこの場合には完全防水のケースが必要となる)、なるべく目に付かないように防水ケースやベアプルーフ(アルミとABSでできた熊除けの円筒形のケースであるが、やたらと重くてかさばることでも有名だ)ケースごと地面に埋めたりする。食べ残しやゴミもキャンプ地で放置したり焼却したり埋めたりせず、匂いをシャットアウトできるケースに入れて、食料と一緒に保管することが求められている。

次にもう少し危険度は下がるものの、やはり危ない場合を想定してみよう。つまり熊が向こうにいる場所にたまたま来合わせてしまった。または熊が自分の方に興味を持って遠くから近づいてきたという場合である。この場合、その熊との距離により微妙に対処法が異なる。例えば熊がずっと遠方にいて、しかも自分たちが大勢で行動している場合などは、大声を上げたり鍋を叩いたりして熊を追い払うことは可能だ。しかしもっと近距離の場合には、やはり大事なことは熊を興奮させたりビックリさせないようにすることだ。だからその場合には、大声を上げる代わりに普通の大きさの声で語り掛ける。決して走って逃げたりしてはならない。熊の方が貴方より速く走れるし、興奮した熊は貴方に襲いかかり、自ら助かるチャンスをつぶしてしまうことになる。熊は犬に良く似た性質を持っているのだ。後ろに下がるのなら、ゆっくりと後ずさりするくらいが精々だ。

この安全距離についてだが、俺は20メーターというのが一つの区切りと考える。それ以上離れていれば大声で追い払うこともできようが、向こうから近づいてくる場合には騒がないようにした方がベターだ。ただし多人数で行動している場合には、みんなでまとまって近くに来た熊をうまく追い払える場合もある。あくまでもケースバイケースになってくるが・・・・・・。また子供を連れた熊が相手の場合には、あまつさえ母熊は子を守るために攻撃性が高くなっている。小熊を見かけた場合には、できるだけ遠くその場を離れる以外、難を逃れる術はない。

熊が興味を持って近づいてきた場合、良く取られる方法は背負った荷物などを熊の方にそっと置いて、熊がそちらに気を取られている内にゆっくりと後ずさりしながら熊から離れるというものである。これは有効な場合もあるし、必ずしもそうでないこともある。熊がうまく荷物に気を取られてその場にとどまってくれた場合でも、例えば荷物の中に食べ物が入っていたら、熊は人間を襲えば食べ物が手に入ることを学習する結果になる。そうなった時、例え貴方は助かっても、貴方の後に来た人が襲われるケースがある。したがって必ずしもベストの方法だとは言えない。

熊は非常に頭が良いので、人間を脅せば荷物を置いていくことを学んだ場合、わざと脅して荷物だけせしめていくことができるほど学習能力は高いのだ。アラスカではこのケースが多くて問題になっている。人間を脅して食べ物を得る術を学んだ熊は、将来人間を襲う可能性が高いので、結局は抹殺しなければならなくなる。心ある人間はできればこのようなことは避けたい。ではどうすれば良いか?

現在では熊が寄ってきた場合でも退けられる有効な道具が開発されている。その最たるものがペッパーカニングスプレー、つまり赤唐辛子成分を濃縮したスプレーである。これを熊の目や鼻に向かって噴射することで、熊を撃退するというものである。ただしこれにも弱点がある。スプレーの有効射程は実質5メーターほどしかないということだ。だから熊がすぐ傍まで迫って来るまでは使用できないし、風が向かい風の場合には自分の方にスプレーがかかることもあり得る。つまり風には弱いので状況によっては有効ではないし、例えば闇夜などではかなり使用に限界がある。また熊に対して有効な目や鼻という狭い部位をいざという時正確に攻撃するのは、かなり至難の技であると言わねばならない。

俺がこのスプレーに併用してアラスカで使っていたのは、ファイヤーフレアーガンである。これは船が緊急時にその位置を飛行機などに知らせるための緊急用打ち上げ花火のようなもので、プラスチック製のピストル形をしている。ここに12ゲージショットガンの弾と同サイズのカートリッジを詰め込んで、ピストルのように目標に向かって撃つというものである。もちろん火薬式になっているので、普通のピストルと同じように引き金を下ろすだけで赤や白の火花が一直線に飛んでいく。距離は上空に向けて放った場合、50メーターくらいまで到達するようだ。日本でも船の緊急時の装備として売られている可能性があるので、もしも見つけられれば非常に熊対策として有効だと思う。

ちなみにこのファイヤーフレアガンなら、5メーターどころか50メーター向こうの熊でも、その騒音と光で追い払うことができる。またスプレーと違って夜でも有効だし、プラスチック製なので軽くて携帯にも便利だ。しかもスプレーと違ってスペアの弾を持ち歩けば、1回限りの使用で終わりということもない。

最後に何も手元になくて、熊が傍まできてしまった場合。この場合なによりも大切なのは熊をビックリさせないことだ。決して大声を上げたり走って逃げたりしてはならない。熊を興奮させないために全ての動作はスローモーにやることだ。また自分は人間であり、食べ物としては不適だということを分からせるために、普段の声の調子で静かに熊に語りかけることだ。そして熊の目をじっと睨みつづける。後ろに下がろうとすると、熊は貴方が逃げ腰であることを悟る。そして逃げた分だけ追って来る。弱腰にならず、急激な動きは避けてその場に静かにとどまることだ。腕は静かに頭上まで上げ、貴方自身をできるだけ大きく強そうに見せることだ。熊は本来臆病な動物であり人間を恐れているので、貴方を攻撃しても勝てないかもしれないと悟ると、自ら引こうとするものである。そして熊がいったん引こうとしたら、決して後を追いかけてはいけない。身の危険を感じると、熊は死に物狂いで向かって来る。静かに見守り、もし熊が引こうとしたら、逃れる時間をくれてやるために、そして攻撃する意思はないということを悟らせるために、視線を熊の目からずらしてやることだ。

熊というのは、本来いつも人間を怖がっている臆病な動物なのだ。しかし時には例外があって、例えば手負いの熊、子連れの熊、人食い熊などには対処の方法はないに等しい。だからこそ常に危険可能性を考えて、ブッシュの中を歩く時には細心の注意をする(熊は足音をさせないなぞと言うが大きな嘘だ、チャンと足音はする)、スプレーや銃、もしもの時用に鉈やナイフも携帯する、熊の吼え声が聞こえたら(牛の鳴き声に似ていることが多い)近くに寄らない、足跡や糞などのサインに常に気を配っておく、などの注意をいつも忘れないことが最も肝要である。

最後にアラスカ・フィッシュアンドゲーム局の熊対策を掲げておく。

 ◎熊を至近距離で驚かせるな、常に熊の糞や足跡などのサインに注意を払い、大きな音を立てておくようにせよ。

 ◎熊の近くに決して近づくな。熊の縄張りスペースを尊重せよ。

 ◎食物の管理を厳重にして匂いを振りまいたりしないように、熊に襲われる危険を自ら作らないようにせよ。

 ◎常に注意を払い、もし出会っても走って逃げたりせず、自分は食べ物ではなく恐ろしい人間であるということを熊に分からせるようにせよ。

そして野垣からの忠告。いついかなる時でも対処できるように、フレアーガンとスプレーをバンジーコードに通して、それを首から下げておけ。

マムシ

マムシは本州から北海道南部まで広く分布する毒蛇で、その名前は誰しも聞き知っているに違いない。山の中はもちろん、田の畔や川原にも生息するので、渓流釣りからバスフィッシングなど多くの釣り場で遭遇する恐れのある危険動物である。

マムシにはその背中に毒蛇特有の銭型紋、またはダイヤモンド型とも言うべき大型の斑紋を持っている。慣れている人には一目で判別が付くのだが、毒蛇は人間を見ても逃げようとしないばかりか、しばしば向かってくることが多いので、知らない人でも見分けることはできよう。そんな攻撃的な蛇を見かけたら、とにかく手を出さないでその場から逃げることである。

マムシをはじめとした毒蛇は熱を感知して攻撃するため、ピットと呼ばれる特殊な器官を持っている。そのため目はあまり良くないらしく、目玉の猫様の縦長の楕円径の形をしている。

熱を感知して敵を襲うというその性質上、マムシは良く注意を払っていれば攻撃される前に気付くことができる。例えば攻撃の前に必ず身体を縮めて飛びかかる姿勢を作るので、カサカサという音などでハッと思わされることが多い。いきなり見えない場所から飛びかかってくる場合は稀である。噛まれた人の大半はこのサインを見落とし、ウッカリ踏みつけてしまった場合などである。

人によっては1メートル以上飛びあがって噛みつくことがあるという話もあるが、俺は実際にはそのような光景を目にしたことはない。手を噛まれた人の大半は座って草抜きなどをしていた場合に限られる。

マムシの多い場所は、俺の知る範囲では開けたところで適度に湿気があって涼しく感じられるような場所、隠れるところの多い岩のガレ場や川原、林道・登山道の脇、エサの多い田の畔などである。反対に草やブッシュの密生したような場所で見かけることは比較的少ないように思う。

対処法としては見つけたらとにかく手を出さずにその場を離れる、歩くときには常に足元に注意を集中する、万一飛びかかられても被害が及ばないように厚手のスパッツと丈夫な靴を履く、などである。マムシは元来極端に攻撃的な蛇ではないし、それなりの備えをしていれば被害が防げることも多い。

マムシの毒は強力ではないので、噛まれてから医者に飛びこんでもほとんど死ぬことはない。血清は日本全国どんな田舎に行っても常備されているので、過度に不安になることはない。とにかく慌てないことである。俺のジイチャンが昔噛まれたことがあるが、かまれた後の医者の処置の方がよっぽど痛かったと言っていたことがある。

以下は毒蛇一般に通用する一般原則である。

1、あわてるな。慌てても得になることは何もない。焦ると毒の回りを早めるだけなので、落ち着いて行動することが一番大切。

2、やたらにしばるな。素人療法よりも専門家に任せた方が得策。速やかに医者に向かうこと。素人が焦って患部を縛った挙句、組織壊死を招いたら目も当てられない。

3、やたらに切るな。上記に準ずるが、恐怖にかられてキズを大きくするのが関の山。毒を吸い出したせいで口の中のキズから頭に毒が回り、文字通り「キズを深めた」例も報告されているようだ。

4、酒を飲むな。意味はわかると思うが、血の回りをわざわざ良くすることは、この場合「悪循環」どころか大問題。酒を飲んでも問題は解決しない。

5、氷、その他で冷やそうとするな。冷やしている暇があるならさっさと医者に向かえ。患部を冷やしても効果は全くない。

6、勝手に血清を打つな。血清は「適切に」使われないと意味をなさない。素人が持ち歩いて使用するなど以っての外。もしもの際にはむしろ致命的になる。

野垣からの注意としては、マムシには常日頃から注意を払うことに尽きますね。間違ってもビーチサンダルで危ない場所を歩き回らないこと。

ヤマカガシ

知らない人も多いようだが、ヤマカガシにもやはり毒があるらしい。しかも溶血性の厄介な毒ときており、血清などの治療法は今のところないらしい。そして噛まれたからといって必ず症状が出るものでもないそうだから、もっと話は厄介である。もしも噛まれて毒の症状が現れ始めたら、今のところは血をソックリ入れ替えるしかないようである。こちらの方が場合によってはマムシよりもよっぽど恐ろしい。

ヤマカガシは元々おとなしい蛇であるので、向こうから向かってくることはない。しかし人間を目にしても逃げないことが多い。つまり自分は毒を持っているぞと威嚇している訳ですね。見かけた人間様の方が速やかに道を譲ってやること。間違っても悪戯なんかしないでね。症状が恐ろしい割には、被害はほとんど出ていないようである。もしも噛まれて具合が悪くなったら、すぐに大きな病院に行くこと。

ダニ

ダニのようなヤローだと良く言うが、確かにダニはいやらしいヤローである。俺、野垣も大嫌いだ。ダニは日本全土にはびこっており、とりわけ永田町付近と役所・官庁内に多いようである。というのは冗談で、実際には山道や登山道などの人間や生き物の往来の多い場所の葉の裏などに良く住み着いているようである。

ダニは精々体長5ミリほど、普段はお尻がペシャンコの蜘蛛のような形しているのだが、生き物に取りついて血をすすり出すと、アッという間に大豆粒くらいにまで膨れ上がる。食いつかれている当人は、その間全く気付かないことも多い。実際には注意していればチクッとした痛みを感じる筈なのだが、その最初のサインを見落とすとダニは益々皮膚の奥深く食いこんで、最終的には医者で外科的手術をしてもらわないと取れなくなる。

食いつかれてしまった場合には、やはり医者に行くのが一番良い方法だろう。食いつき始めなら強く引っ張って抜ける場合もあるが、頭が完全に埋没してしまうと引っ張っても頭の部分だけが切れて残るので、キズが化膿したりしてうまくない。それとダニの一部にはあの恐ろしいツツガムシ病を媒介する種類もいるそうなので、たかがダニだからといってなめていてはいけない。

ダニは柔らかい皮膚を最も好むので、足元から徐々に這い上がって、自分の最も好む部位にグイグイと頭の部分をめり込ませて来る訳ですね。笹薮などを通り抜けた跡にダニ検査を行うと、足元からのろのろと、しかし着実に這い上がってくるこげ茶色の小さな虫・ダニを発見できるであろう。

具体的には鹿の歩く通り道に特に多いように思う。つまりは獲物の良く歩く通り道に奴らは巣くっておる訳なのです。そして通常は梅雨時頃にその発生のピークを迎え、梅雨が過ぎると雨に洗い流されてしまうのか割とその被害も少なくなるように思われる。ただし梅雨のない東北と北海道は別ですけどね。

ダニは別名えろダニとも呼ばれる。つまりは柔らかい局部付近が特にお好みなんだよね。男だと○ン○マの後ろ側とか、女の人だとそのものズバリに食いつかれてしまったりする訳なのである。こうなると結構困るみたいですね。医者に行くにも人目がはばかられるし。これはダニ君の引き起こす可笑しくも悲しい、そして良くある実話なのでありました。後、腕時計をはめたすぐ横とか、耳朶なんかにも要注意です。

俺、野垣の経験でいうとこんなのがありました。北海道から帰ってきて、長旅の疲れを癒そうと銭湯に入りに行きました。ヨッコラショー、と湯船に漬かってザバーと上がり、さて身体を洗おうとしたところ、肩の付け根に何やらイボのようなものができている。なんだろうと良く見ると、なんとこれが見事に茹で上がったタコならぬダニだったんですね。

どうやら件のダニ君、ノンノンずいずいと這い上がってきた挙句、ザックのショルダーベルトで通せんぼをされたため、そのままそこに居座ることにしたらしい。しかし食いついたその相手が間抜けな野垣だったから始末が悪かった。そんなこととは知らぬ仏の俺はダニを付けたまま熱い湯に漬かり、見事にダニを釜茹での刑に処してしまったという訳だったのです。

こんな間抜けはそうはいないと思うけど、ダニにはできれば食いつかれずに済ませたいもの。対処法はただ一つ。ダニがいそうな山道や獣道を通り抜けたすぐ後には必ずダニ検査を行い、ダニが足元から這い上がってきていないかチェックすること。友達がいたら、お互いにチェックしあうと見えにくいところまで目が届きます。後はチクッとした痛みを感じたら、すぐ確かめてみることくらいのことかな。長靴や雨具、スパッツなどで完全防備していれば、かなりダニの被害の予防には役立つと思います。貴方の大切なところにダニが食いついたりしないことを祈る。


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