Record Ambassadeur 5000/6000

最初のアンバサダーは1952年に Record Ambassadeur 5000 という名称でデビューしました。このリールはスカンジナビアのみで販売され、左サイドプレート下部に MOD. S.G. という刻印があります。この刻印入りリールは1年だけしか製造されず、数が少ない為にレア物として特に珍重されています。正確には1952年のクリスマスに初めて売りに出され、1953年の秋まで製造が続けられたと聞いています。

MOD. S.G. にはこの刻印の他に、オールグレーに塗装されたスプールとドラグホイールが外観上の特徴として上げられます。またリールフットには未だナンバーが刻印されていません。またカラーは赤の他に黒、緑、黄、紫などのレアカラーが市場調査用として製造され、少なくとも黒が100台、緑が20台存在すると言われています。

1953年になると、 MOD.S.G. の刻印こそ外されたものの、 Record Ambassadeur 5000 はスエーデン以外の市場にも販売されるようになり、1957年まで製造が続けられました。同様にワイドスプールバージョンである Record Ambassadeur 6000 も1954年から製造が始まり、5000と共に57年まで製造が続けられています。

Record Ambassadeur 5000 は大きく分けて2世代に分けられるようです。つまり初期型のフットナンバーのないもの、これにはしばしばMOD. S.G. に採用されたオールグレーのスプールが装着されています。ついでフットナンバーが刻印されるようになったもの、これには芯のみグレーのスプールが装着されています。これらのリールに共通の外見的特徴として、魚をかたどった Record の刻印、角張った穴開きのハンドルロックナット、グレーに塗装されたメカニカルプレートなどがあげられます。

Ambassadeur 5000/6000

Record マークの刻印が消えるのは1958年と言われています。これが今日でも最もポピュラーな  Ambassadeur 5000 の誕生につながるのです。

Record Ambassadeur 5000 との大きな違いはRecord マークの刻印がなくなることの他に、スプールが黒一色かメタリックアーバーの物になる、5桁、後には6桁のフットナンバーが必ず刻印される、などの点が上げられます。 またこのリールは ABU 社の主力商品として様々なマイナーチェンジと共に多くのモデルの拡充をもたらし、1979年まで製造されていました。

ワイドスプールバージョン Ambassadeur 6000 も Ambassadeur 5000 から遅れる事1年にして生産が始まりました。なお、初期のものにはフットナンバーの刻印がなく、フレームピラーが緩やかにテーパーしているという特徴があります。1964年からは Ambassadeur 5000 と違い3桁の数字を組み合わせたフットナンバーが打刻されるようになります。フットナンバーの詳細については、アンバサダーのフットナンバーの項目をご覧ください。

これらのリールには前述したように様々なマイナーチェンジが煩雑に行われましたが、主な変更点だけでも、左サイドプレートの固定ネジが4本から3本になった、サイドプレートのデザインが波形から山形へ変更された、刻印の字体が変わった、個々の部品のデザインや材質が変わった、など数え切れないほどあります。またここから派生したモデルは 5000C/6000C を始めとして 5001C、5000 De Lux、4500/4500C/4600C、5500/5500C/5600C、5000A/5000B、4500D/4000D/5000D/5500Dなど、レアカラーの物まで含めればこれまた数え切れないほど存在するのです。

Ambassadeur 5000A/5000B

5000 と 6000 の中間を埋めるサイズとして1950年代中頃に製造が開始されました。5000Aは実際には Ambassadeur 5000 に細軸スプールを付けただけなのですが、5000Bにはクリッカーが装着され、カウンターバランスハンドルと大径のスターホイールが装備されています。当初はAとBにはモデル固有の刻印がなく、スプールやクリッカーの有無、ハンドルやスターホイールの形状で区別されていたようですが、1970年代に入るとそれぞれのモデルの刻印が入るようになります。

Ambassadeur 5000C/6000C

5000/6000 のボールベアリング搭載モデルで Ambassadeur 5000C は1967年から、6000Cは1969年からの製造と言われています。 値段が高い分、耐久性も少し増したようです。ただ回転性能自体には大した違いは認められないと思います。ともあれその登場の経緯を見る限り、 Ambassadeur 5000C は 5000 のデラックスバージョンと考えて良いと思います。

なぜなら元々5000C は 5000 De Lux の廉価版として製作されたきらいがあるからです。そのため最初期のものは 5000 De Lux と良く似た構造をしています。むしろ 5000 De Lux のフレームを3スクリューにし、金メッキを取り去ってより簡素にしたものが 5000C だったのかもしれません。1971年までの初期のものには Svangsta の刻印が入っており、フットナンバーにも通し番号が使われています。

Ambassadeur 5500/5500C/5600C

5000のハイスピードバージョンのバリエーションです。それぞれブロンズベアリング、ボールベアリング、そしてボールベアリング&サムバー搭載モデルを意味します。

最も人気の高い 5500Cは、1972年に製造が開始されました。最初はブルーグレーのメタリックカラーで、ビッグAロゴにモデルネームのみステッカータイプ、その後1974年にはゴシックロゴに変更になり、モデル名の表示は刻印でした。後期のものになるほど色はシルバーに近くなり、1977年にはモデル名表示も刻印からステッカーに変わります。1979年になると今度は色の変更がなされ、シルバーから 5000C などと同じ黒色になり、1980年まで製造されていました。また1983年には復刻モデルとしてシルバーの刻印入り 5500C が日本向けに特別に販売されています。

5600C は1976年からの製造で80年まで製造されました。最初期のものはモデル名表示が刻印ですが、すぐに他のものと同じステッカー表示に変わります。この表示の切り替わりについてはロットによりばらつきがあるようです。またサムバーのカラーは1979年には黒に変更になるようです。

5500 は 5000 のハイスピードバージョンとして1975年から製造が始まります。当初は平ノブダブルハンドル付きのブラウンカラーモデルでしたが、1977年には旧来の 5000 と同じ赤に変わり、80年まで製造が続けられていました。78年からはモデル名表示も刻印からステッカーへと変更になり、それに伴ってスターホイール、フレームのインナープレートもボディと同色になります。

5500 は全般的に製造された数がかなり少なく、レアモデルの扱いをされるにいたっています。またレアカラーとしてシャンパンゴールド色が、1977年の短い期間製造されました。

Ambassadeur 4500/4500C/4600C

5000 のナロースプール&ハイスピードバージョンのバリエーションです。内訳は上記と同じです。但し製造された数はこちらの方がずっと少ないようです。

4500C はボールベアリング内蔵モデルで1976〜78年の製造です。4500シリーズの中では最もありふれたモデルです。76・77年型は細軸のスプールを装着しているのに対して、78年型は太軸スプール装着です。

4500 は上記のブッシングモデルで、1977、78年のみの製造です。 製造数は4500C よりもだいぶ少ない様です。

4600C は4500C のサムバー装着モデルです。製造年は1978年だけなので、数はかなり少ないようです。

Ambassadeur 4500D/4000D/5000D/5500D

Ambassadeur のダイレクトドライブバージョンがこれらのリールで、1973年から79年にかけて製造されました。ダイレクトドライブといってもスプールフリー機構を備えている為、キャスト時にハンドルは回転しません。 代りにハンドル逆転時のみ負荷が掛かる巧みな機構を備えており、ハンドル基部のノブにより逆転時の負荷の強さを調整する事ができます。

4000D は1973年から76年までの製造です。アメリカのアブオーソライズドディーラーのみでの販売だったと言われています。独特のコッパーカラーをしているので珍しがられ、中々人気があります。機能的には色の違いだけで、クリッカーのない初期型の 5000D と異なる所はありません。モデル名の表示は刻印です。

5500D は 5000D のハイスピードバージョンです。1977年から79年の製造で、割合レアな扱いをされるモデルです。5000D シリーズとしては後期の製造なので、モデル名表示はステッカーで、ラチェットも付いていません。

5000D はダイレクトドライブモデルの内、最もありふれたものです。1973年から76年にかけて製造されたものはモデル名表示が刻印で、ラチェットが付いています。それ以降のものにはラチェットはなく、モデル名もステッカーに変わっています。

ありふれているはずの 5000D にも特別なモデルがあります。それは1976年にゴールドの塗装色で販売されたもので、ごく短い期間にしか製造されなかっため、とりわけコレクターの関心を集めています。機能的には通常の 5000D と全く異なるところはありません。

また 5000D の中で1975年から76年にかけて製造されたものには特別に青みの強いものが多く、コレクターによってはこれにティールと名前をつけて特に珍重しているようです。しかしこれは偶然に発生した亜色だと考えられており、5500C におけるガンメタ神話と並ぶものとなっています。

4500D については残念ながら今の所わかりません。仮に実際に市場に投入されたのであれば、おそらくは1976年か77年のごく短い期間の製造だと思いますが、元々市場で実際に販売されていたものか疑問が残ります。5500 のレアカラーと並び、特にニセモノが特に多いモデルですので十分な注意が必要だと思います。

Ambassadeur 5001C

5000 の左巻きバージョンです。1972年当時、売られていた左巻きベイトリールはこれだけでした。モデル名表示はビッグAロゴで、おそらく最初期のものだけ波形プレート、後すぐ山形に変わります。また1980年にはゴシックロゴの刻印に変わり、1981年まで製造されていました。

Ambassadeur 5000 De Luxe/5000CDL

ウッドプレゼンテーションボックス入りの24K張り 5000C です。1963年から製造が開始され、1982年まで作り続けられていました。当初のモデル名は Ambassadeur De Luxe でしたが、1969年には 5000C DeLuxe へと変更になりました。このリールは通しのシリアルナンバーが入った永久保証品で、インターナショナルアブクラブへの自動加入権も付いています。

1977年からはサムバー付きの 5600C De Luxe も投入され、1980頃からはモデルナンバーが Ambassadeur 5000C De Luxe から 5000 CDL に変更になりました。最も初期のものはダブルノブスモールハンドルでしたが、1971年からははカウンターバランスハンドルになり、1975年には更にサイドプレートとノブのデザインも変更されました。最初期のものは4スクリューモデルであることの他に、後期モデルに比べて金メッキも厚いと言われ特に珍重されているようです。

Ambassadeur 3000/4000

主にベークライトと言われるプラスティック素材でできた、変わり種の Ambassadeur です。これらのリールは1963年から72年にかけて作られたと言われています。普及版として安い値段で売りに出そうとしたのでしょうが、このモデルのみの為に新たな部品を製造しなければならなかった筈で、コスト的にどれだけのアドバンテージがあったのかは疑問です。見た目も余り高級でなかった為か、不人気モデルとなり、早々廃番に追い込まれました。皮肉な事に製造された数の少なさゆえ、今ではレアモデルとして扱われる事があります。

なお 3000 は世界中で販売されたいたようですが、 4000 はアメリカのアブオーソライズドディーラーのみでの販売だったと言われています。実際にはプレートカラーの違いを除けば機能的な差異は認められません。

Ambassadeur 1500C/2500C

ウルトラライトクラスのベイトキャスティングリールで、現在も同じ外観で製造されています。但し内部はメインドライブギアを始めかなりの部品が簡略化され、材質も落ちている為、1980年代以後に製造された物は、それ以前に作られたビンテージ Ambassadeur とはまったくの別物と思った方が良いようです。製造開始は1975年からで、76年までの初期モデルにはロットによりダブルノブハンドルが装着されています。

Ambassadeur 2600/2650/  ABU 1750/1750A

Ambassadeur 2600/2650 はアメリカ国内のみでの販売でした。基本的には 1000 番台の Record の流れを汲み、 2000/2050 にハンドルフリー機構を組み込んだものです。これはハンドルロックナット上に設けたプッシュボタンを押す事で、キャスト時にハンドルが逆転しないようにする機構で、これらのリールに共通して装備されています。ABU 1750 は1963〜65年に製造され、1966年からは ABU 1750A に名称が変わりました。1975年になると今度は Ambassadeur 1750A に再び名前が変更されますが、モデル名を示すステッカー以外には、これら3モデルにハッキリした違いは認められません。

Record  Sport 2100/Expert 2200/Clipper 2300/Flyer3000

これらのリールは正確には Ambassadeur ではありませんが、遠心ブレーキとフリースプール機構を内蔵しているので Ambassadeur 以上に人気の高いモデルです。人気の秘密はその高い遠投性能と特殊性にあります。オプションでマグネシウムスプールが用意されており、競技用リールとして多くのキャスティング競技会で賞を総なめにした事でも有名です。製造は Record Ambassadeur より遥かに早く始まり、2100 は1945年から1973年、2300 は1953年から1962年、3000 は1950年から1958年まで製造されていました。中でも Record Sport 2100 には根強い人気があり、ABU Sport 2100 と名前を変えて1970年代まで製造が続けられていました。1945、46両年の2100はハンドルノブがブルーです。また1948年までの初期型には、軸受けにメノウが使われていました。なお 2300 は 2100 の普及版だと言われています。

Ambassadeur reel には現行品を含め、他にも多くのモデルが存在しますが、私自身余り興味がないために、多くを省かせて頂きました。

上記の記述の中には、私の不勉強から来る誤りが沢山含まれている可能性があります。誤りを発見された方で、それを正してやろうと思われた方は是非私までメールでお知らせください。謹んで拝聴させて頂くとともに、すぐに誤りを訂正したいと思っております。

ご連絡は webmaster @abumania.com まで





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