リールにとって、ギヤは命。ここでは一見退屈に思えるギヤについて、ちょっと観察してみたいと思います。

リールの内部には様々な種類のギヤが使用されています。あるものは単純明快、またあるものは複数のギヤが組み合わされて使われ、見た目よりもはるかに多くの意味がその中に隠されているのです。リールに使用されているギヤには様々な種類がありますが、そのほとんどは以下のようなギヤからなっています。

平行軸歯車

平行軸の歯車は、動力の伝達軸が平行です。そのために主にベイトリールに使用されていますが、スピニングリールの平行巻き(オシレーション)機構や減速系にも使用されています。

平歯車・スパーギヤ

歯すじが軸と平行の直線でできている円筒形の歯車です。例えばアンバサダーのコグホイールやスプールの左側に付いたピニオンギヤなどもこれに当たります。

特徴としては、加工が容易で比較的安価に作れるために、多くの動力伝達系に使用されています。ただしギヤの噛みこみは深くなく、音も若干うるさくなります。リールの内部では、主にギヤの減速やマルチプライリールに多様されています。

斜歯(はすば)歯車・ヘリカルギヤ

歯すじがらせん状に入っている円筒形の歯車です。平歯車よりも強く静かな歯車として、広く使われています。リール内部では、アンバサダーのドライブギヤやピニオンギヤがこれに当たります。その他にも多くのリールに使用されている非常にポピュラーなギヤです。

加工はスパーギヤよりも難しくなりますが、噛み込み部分が多くなるため強度的に優れています。また騒音も少なくなります。歯面の加工には特殊な設備が必要で、歯面を削る切削歯が動いている最中にギヤの素材を回転させることで、スパイラルならせん状の歯面を削り出します。

内歯車・インターナルギヤ

平歯車とかみあう、円筒の内側に歯が作られている歯車です。ギヤの減速などの用途に使用され、主に遊星歯車装置とか歯車形軸継手(ギヤカップリング)などに使われています。リールではもちろんミッチェルの遊星(プラナマティック)ギヤが有名ですが、一部フライリールのマルチプライヤーなどでギヤ比を上げるのにも使われています。

円筒形の内側にギヤを切らなければならないため加工が難しいのですが、ギヤの組み合わせ自体も複雑なものになります。内側のギヤを複数にすることもでき、その場合には強いトルクを得ることが可能です。

交差軸歯車

交差軸の歯車は動力の伝達方向が90度変ります。そのためスピニングリールのメインギヤに使用されているものは全てこの種類になります。

直歯笠(すぐばかさ)歯車・べベルギヤ

歯すじが中心から外側に向かって最短直線上に伸びた歯車です。かさ歯車としては、比較的に製作が容易であるため、動力伝達用かさ歯車として最も普及しています。アブのリールでは初期のRecord700などに使用されているものがこれです。

特徴としては、加工が比較的容易なので複雑な設備を必要としませんが、ギヤの噛み込みはあまり深くなく、回転音も静かではありません。

曲歯笠(まがりばかさ)歯車・スパイラルべベルギヤ

歯すじが曲線であって、ねじれ角を持ったかさ歯車です。スピニングリールではウォームギヤとともに主流となっており、例えばミッチェルの408に使用されているグリムゾンギヤ(フランスのギヤ専業メーカー・グリムゾン社により特別に生産されたもの)はその代表例です。

特徴としては、ギヤの噛み込みが深くまた噛み込んでいる歯面が増えますので、強度、回転音ともに優れています。また歯面が長く、同じ大きさのギヤにならより多くの歯面を刻むことができます。そのため結果としてよりハイスピードのギヤを製作することができます。

フェースギヤ

平歯車またははすば歯車とかみあう円盤状の歯車です。直交する軸と食い違い軸の両方の用途で使われます。アブのリールで言うと、ABU444や廉価版のカーディナル40シリーズに使用されています。

スパイラルべベルギヤやウォームギヤに比べて加工が容易で、安価に製作することができます。その反面ギヤの噛み込みは浅く、また回転音も高くなります。このギヤは言わばスパーギヤの一方を平らに伸し、それを円く繋げたものと言い換えても良いでしょう。

食い違い軸歯車

交差軸と同じく動力の伝達方向が90度変ります。また動力伝達軸の延長は一直線にはなりません。

ハイポイドギヤ

動力伝達軸の延長が一直線になっておらず、食い違った軸の間で運動を伝達する円すい状歯車です。スパイラルべベルギヤの一変形ということができますが、より複雑な噛み合いを持っています。これもスピニングリールではたまに見かける方式で、今はなき大森製作所のリールはこの代表例と言えるでしょう。

特徴としてはスパイラルべベルギヤに準じますが、伝達軸がずれている分、こちらの方がより複雑な噛み込みとなります。また伝達軸のズレにより、お互いの回転による干渉を少なくすることができると言われています。

ウォームギヤ

円筒ウォームと、これとかみあうウォームホイールの総称です。大きな減速ができるとか静かだという長所がありますが、伝達効率が低いという短所もあります。アブの代表的なスピニングリールのカーディナルはこの方式で、アルチェードなどイタリア製の諸リールも全てこれです。

またこのウォームギヤを鼓形にして更に噛み込みを深くしたものがあり、特に鼓形ウォームギヤと呼ばれることがあります。これは製作が難しい分巻き上げる力も強く、円筒ウォームギヤよりも大きな動力を伝達することが可能です。





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