このページではオールドアンバサダーについて良くある質問をまとめてみました

オールドのアンバサダーは今のものよりも精度が高いって本当ですか?また日本製と比べてどうですか?

オールドのアンバサダーの精度が現在より高いかどうか、これを判定するのはかなり難しいことだと思います。ただし作りについて言えば、明らかに昔のものの方が丁寧です。例えば昔のものは多くの部品が真鍮製で、しかも一々メッキされていました。これは外観のためももちろんありますが、腐食を防ぐという大切な役割を持っていたのです。現在では多くの部品がステンレス製に切り替えられメッキも省略されていますが、これはコストダウンの1点を狙ったもので、この点からしてもかなり昔のものに比べると手抜きがなされていると言って良いでしょう。またフレームのリールフットは昔は1つ1つ手作りで蝋付けされていたので継ぎ目が全く見当たりませんが、現在では自動ロボットによるスポット溶接になっているようです。したがってリールフットの裏側には小さな溶接跡が2箇所付いています。リールの組み上げ作業も昔は一人の職人が1台1台完成品を作り、正に昔ながらのクラフトマンシップを発揮していた訳ですが、現在は自動機の導入による流れ作業で、昔日の面影はありません。

日本製との精度の比較についてですが、精度だけを取ればすでに日本製の方が遥かに上を行っていると思います。使用している日本製の工作機械の精度が飛躍的に向上したからです。これは例えば30年前の車と現在の車を比較してみれば分かりやすいですね。当然現在のものの方がエンジンの馬力も強いし、より精密に作られています。結局、単なる道具としての車であればカローラでも十分でしょうが、趣味性を求める人にはそれだけでは飽き足らないということではないでしょうか?スペックだけを見れば、新しいものの方がより進歩していることは明らかです。

アンバサダーはすごく重いみたいですが、どうしてですか?

理由は真鍮素材の多用にあります。真鍮という素材は比重が高くて重く、錆びやすいという欠点がありますが、その反面、比較的柔らかくて伸展性に優れ、加工がしやすいという特長があります。また金のように表面が錆びることですぐ酸化皮膜を作りますので、内部まで腐食が浸透しないという利点も持っています。昔は工作機械の精度の問題もあり、特に加工がしやすいという点で真鍮は多用されていました。また重い分長期の使用にも良く耐え、丈夫であるという特長も併せ持っています。言葉を変えれば真鍮素材の多用こそが、アンバサダーを50年間も一線に留め続けてくれた大きな要因と言えるでしょう。

アンバサダーのサイドプレートの色がハンドルと違うことがあるのはどうしてですか?またこれはこういうものなのでしょうか?

1980年代までのアンバサダーのパーツは電解塗装という化学的方法で着色されている訳ですが、これは非常に微妙な条件により左右される方法で、例えば電解槽に入った塗料の温度、濃度、ペーハー、気温、かける電圧の強さや長さにより発色がかなり異なってくると言われています。これがアンバサダーの同じモデル(例えば5500C)に色のバリエーションが種存在する理由となっている訳です。それぞれのパーツは同時期に製造されるのではなく、ハンドルならハンドルでまとめて一時期に製造し、ストックしておく訳です。もちろんインナープレートやサイドプレートも同様で、この各パーツ間の製造時期のズレが、そのまま色の差異に繋がって来ます。したがってアンバサダーを良く観察すれば、各パーツにはほぼ必ず色の微妙な差異がありますし、それが普通です。ただ黒や赤に比べると他の色はこの差異が目立ちやすいきらいはあると思います。

アンバサダーが日本製と比べて優れている点はなんですか?

これもまた難しい質問ですが、色々な側面から捉えることができるでしょう。先ず素材の問題についですが、50年前に製造された日本製のリールで実用に耐えるものはほとんど残っていません。これはその頃には日本でリールが製造されていなかったからという訳ではなく、あまりにも柔な作りであったために残り得なかったというのが正直なところです。もちろんリール製造のノウハウや歴史を持っていなかったからというのも一因だと思います。デザイン的にも日本メーカーのリール作りは海外の製品を真似することから始まっており、アブはその内でも最大の目標となりました。日本製のベイトキャスティングリールは形こそ違え、その基本構造をアブから習得したというのは間違いのないところです。つまりアブは現在興隆を遂げた日本製リールの始まりであり、オリジナルの形だと言って良いでしょう。

アンバサダーは長持ちすると言われますが、何が違うのでしょうか?

この理由も色々なファクターが挙げられると思います。やはり一番に来るのはその素材に真鍮が多用されており、しかも一つ一つの部品が丁寧にメッキ処理されていることです。その代わりプラスチックなどの安直な部品が少ないので、かなり重量があり、持ち重りします。また金属の素材自体もその一因と思われ、長い歴史を持つスエーデン鋼の高い技術が、リールの中に生きていることも大きな要因です。そして最後に、完成度の高さが上げられるでしょう。最高の素材を最適の場所に使用する。つまり長年のリール製造で培われた技術と経験を、更に継続的にフィードバックして一つの形に集約した結果、アンバサダーという極めて完成した製品を作り出すことに成功した訳です。これは長い歴史と経験を持つメーカーのみがなし得る仕事だと言えるでしょう。