アブカタログの中にはさまざまな興味深い事実が隠されています。ここではそれを追求。

アブのカタログにはさまざまな種類があり、世界中の国の言葉で発行されていました。例えば思い付く限り上げてみても、英語の他にアメリカ市場向けのガルシアバージョン、フランス語、スペイン語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語、日本語、デンマーク語、フィンランド語、そしてもちろんスエーデン語です。この他にも数種あるのではないかと思います。

中でも特徴的なのはアメリカ向けのガルシア・フィッシングアンニュアル、ガルシア・フィッシングマガジンと、英語版のタイトラインズです。ガルシア版は、アブ以外にもガルシアのオリジナルブランドものや、同じくアメリカでの代理店をやっていたミッチェルのタックルが同じカタログの中に掲載されています。そしてゼブコが代理店をやっていたカーディナルが全く含まれていない点も特徴的です。

これに対してタイトラインズの方は、イギリス以外でも多くの英語圏の国々で共通に使用されていました。そしてアブはアメリカ市場同様、イギリス市場に非常に重きを置いていたようで、イギリス市場オンリーの特殊な竿やリールがたびたび登場します。

下段は僕が見つけたカタログ中の興味ある部分、ミスプリ?部分を拾い集めたものです。


1958年のスエーデン語版、Napp och Nytt。Record 時代直後のものである。実際の内容はまだ Record 系のタックルが大半を占めている。

この頃にはアブはヘドンのスエーデン代理店をやっていた。そのためアブカタログの中にヘドンのプラグが掲載されている。興味深いのは最下段のバンプスプークで、アジャスタブルリップ機構がなければハイローそっくり。

こちらは英語版のタイトラインズ。表紙は一貫して釣り風景が採用されている。

Ambassadeur 9000の名称で紹介されているのは、どう見ても8000である。ハイスピード側のギヤ比が1:5.1であることからも、これは疑いがない。しかし翌年のカタログでも、やはり8000が9000として紹介されている。一般的に9000は1968年からとされているのに、一体これはどういうことだろうか?

1968年のスエーデン語版カタログ、Napp och Nytt 。

前年まで9000として紹介されていた同じモデルは、この年突然また8000として登場。一体アブのモデル認識はどうなっているのか?何か大きな混乱が生じていたのか、それとも単なるプリントミスか?

1969年の英語版カタログ、Tight Lines 。

しつこいようだが、この年9000はニューモデルとして再登場。リールのデザインは一新され、ハイスピード側のギヤ比が1:4.2に落とされているのが分かる。一説には、8000の1:5.1はあまりに早過ぎたため、修正が必要になったからだとの噂も。

1971年は Jubilee year に当たる。つまりこれはカトリックの聖年に引っかけたアブ創立50年祭である。この年のカタログは特別に厚く作られ、リングファイルに閉じられている。また表紙にイラストが採用されるのもこの年から。

ブはいくつかのアメリカンブランドの代理店もかねており、この年には Old Pal のタックルボックスが紹介されている。

1973年にはカタログの版型が変り、それまでの倍のサイズの横長になる。

スバングスタの片田舎には立派過ぎるほど巨大な工場。さすが世界のアブ。右奥が良く見かける旧工場。左奥にあるのは新工場である。中央を流れるのは有名なモラム川。手前の空き地は新工場用の買収地であろうか?

ガルシアのカタログにはアンニュアルと呼ばれるものと、フィッシングマガジンと呼ばれる雑誌形式のものがある。こちらはアンニュアルの方。サイズも雑誌と同じで、アブカタログにしては巨大。

1975年のアンニュアルには変ったハンドルの 5000D が掲載されている。なんとヒネリノブ付きなのだ。5000D のファーストロットは1973年だと思うが、こんなハンドル見たことない。ホントに存在したのだろうか?

1976年はハイスピードバージョンも続々発表され、ラインナップが画期的に充実した年である。

6500C のビッグAロゴは1972〜73年のみの製造であるはずだ。しかしなぜか76年度版カタログに未だ掲載。

ガルシアのカタログ雑誌、フィッシングマガジン。アンニュアルとは兄弟関係にある。表紙のイラストがとても印象的。

1978年度版なので、5500と6500が掲載されている。しかしモデル名がテレコで紹介されており、しかも6500は先丸のスターホイール装着。クロームのドラグノブはインナープレートのカラーとは不統一である。このような実物には今のところお目にかかったことがない。

ガルシアとしては激動期の1979年に出されたフィッシングマガジン。

ゼブコがアメリカ市場でのカーディナル総代理店をやっていた筈だが、カーディナル50シリーズがなぜかアンバサダーブランドでガルシアカタログにも登場。実質的な相違はブランド名のみ。

1980年度版タイトラインズ。

80年代初めには、未だオールドスタイルは健在。しかし奇妙なことに 2500C ツインハンドルモデルがこのカタログには掲載されている。しかし更におかしなことにはリテーナープレートが取り付けられていない。単なる穴埋めのためか、それとも手抜き?




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