ABU 500シリーズは人差し指でリリースボタンを押さえるだけで即キャストできる優れた構造を持っており、現在でも多くのファンに支持されています。ここではABU 500シリーズの歴史と特徴について語ってみたいと思います。

ABU 505

ABU 500シリーズの登場は1962年のABU 505に遡ります。カタログ初出は1962年ですから、製造自体は1961年からということになります。このモデルは発売当初から完成度の高いのが特徴で、スタードラグ機構の他にスプールオシレーション機構(ライン平行巻き機構)、ハンドルを約15度逆転させるとドラグが緩むシンクロドラグ機構がすでに搭載されていました。つまり、ABU 500シリーズの基本のすべてがここにある訳で、そういう意味でもこのリールはフラッグシップモデルと言うことができるでしょう。これらの基本性能はアブマチックから踏襲されたものに他ならず、そういう意味ではABU 500シリーズはアブマチックをスピニングロッドで使えるように発展、改良したものという位置付けができると思います。これはアブマチックと共通の部品を多く採用したことからも察しられますが、興味深いことにABU 500シリーズのピックアップピンはいずれも1本です。ワインドカップにはダブルピンにできるよう2つの穴が開いているのに、誠にもって奇妙なことに思えますが、これはピックアップ時の負担を軽減するためだと思われます。重心がロッドから離れているABU 500シリーズでは、ダブルピンにした場合あまりにもピン復帰時にハンドルの回転が重くなり、アブも当初の計画であったダブルピンを諦めざるを得なかったという話があります。

1961年から62年にかけて製造されたABU 505のファーストモデルはいくつかの特徴的な点を持っています。つまり、ベルカバー(フロントのカバー)の先端にはステンレス製の折り返しのリングが付いておらず、全体が赤く塗装されています。そして、ネームステッカーにも初期型の特徴であるSVANGSTAの銘が入っています。SVANGSTA銘は以後もしばらく残りますが、ベルカバーの特徴は1963年以後には見られなくなります

1972年頃には新たな小変更が加えられます。それはハンドルのシャフトの塗装が赤から黒に変わることで、同時のこの頃、ボディの塗装もザラザラした結晶塗装からツルリとした一般的な塗装に変わります。

1975年になると更に小変更が見られ、赤いハンドルシャフトがまた復活します。そしてハンドルノブもひねりの入っていないタイプに変わるのですが、その正確な時期はまだつかめていません。そしてABU 500シリーズ中最も長命を誇った505も、1979年にはカタログ落ちしてしまい、ABU 506にその座を譲ります。

ABU 503

ABU 505に続いてシリーズに加わったのがABU 503です。カタログ初出は1967年からで、アメリカ市場ではABU Garcia 520とネームプレートを変えて販売されましたが、結局のところ両者に機能的な差異はありません。このモデルにも初期型と後期型があり、後期のものはベルカバーの色がシャンパンがかった薄いものになります。また1972年ごろにはボディの塗装が変更になるのもABU 505と同じです。性能面では、ABU 505のスタードラグ機構をプリセットドラグに簡略化した廉価版です。

ABU 506

1969年に登場のABU 506は、ABU 505のドラグ機構を更に進化させたモデルです。具体的にはドラグ機構にボールベアリングを組み込み、スターホイールに代わるドラグノブを採用して更にスムーズなやり取りを可能としました。またシンクロドラグもより進化させ、ハンドルから手を放すだけでドラグが瞬時に緩むオートシンクロドラグを採用しました。その他ABU 505では1:3.2だったギヤ比を1:3.92へと高速化させ、すばやい巻取りを実現しています。初期のもののみハンドルノブはひねり入りで、ネームステッカーにもSVANGSTAの銘が入っています。しかしボディの塗装は当初よりツルリとしたタイプで、ザラザラのものは見られません。

ABU 507/508

ABU 500シリーズはワインドカップを持つ構造上、どうしても糸巻き量の少ない欠点があったのですが、もっと大きなサイズが欲しいという釣り人の声に応えて登場したのが、1972年に発売されたABU 507です。これは具体的にはサーモンフィッシングに対応したものだと言われており、性能面ではABU 506をサイズアップしたものです。ただし、ギヤ比は1:3.2に押さえられています。 

ABU 507発表の翌年には右巻き用のABU 508が更に追加されます。これはABU 500シリーズ中唯一のライトハンドモデルであり、特に異彩を放っていると言えるでしょう。機能的にはABU 507を右巻きに置き換えただけなのですが、なぜ唯一のライトワインドモデルがこのサイズに導入されたのか、興味の尽きないところです。僕自身は、より大きな魚に対応するため、敢えて力強く巻き上げのできる右手巻きにしたのだろうと思っていますが、本当のところはどうなのでしょうか?

初期型の特徴はいずれもABU 506と共通しています。またベルカバーの色は初期のものほど濃い傾向があるのですが、これは電解塗装時に共通して見られる現象のようです。すなわち、後期の製造になるほど塗料タンクに入った塗料が薄まるからだという説があります。

ABU 501

1978年には、ダイレクトドライブモデルがABU 500シリーズに加わります。これがABU 501で、アンバサダーの5000Dと似た機能を内蔵しています。つまり通常はダイレクトドライブなのですが、ハンドルの逆転時にのみ負荷が掛かるようになっているのです。そしてこの負荷の強さはハンドル基部のドラグノブにより調節可能で、通常のドラグよりも素早く魚の動きに対応することが可能です。このモデルの位置付けで興味深いところは、ダイレクトモデルにもかかわらず、5000Dの様にバス釣りに使用されることがほとんどなかったという点です。

ではどういう風に使用されたのかというと、このリールは主にイギリスなどヨーロッパでマッチフィッシングに使用されていたようです。マッチフィッシングはヨーロッパの方では人気の高い釣りで、日本では鯉釣りなどがこれに当たりますが、ABU 501はコンペティションなどで高い評価を受けていたようです。そしてこの傾向が、翌年のABU 506Mの投入に繋がっていきます。

ABU 506M

ABU 506のギヤ比を更に高速化したのがABU 506Mで、ABU 501と同じく1:4のギヤ比を持っています。モデル名のMはマッチフィッシングのMだと言われています。このモデルはイギリスのみでの発売で、他の国では販売されることはありませんでした。この事実はABU 500シリーズを語る上で非常に重要な要素となります。つまりABU 500シリーズが最も良く使用されたのは他ならぬイギリスにおいてであり、その後の発展にもイギリスの釣りの動向が大きな影響を持っていたと言えるでしょう。

実際のところ、イギリスの釣り師の提案で数々の改良が加えられ、マッチフィッシングのコンペティションプロの意見をアブが採り入れていたという事実があるようです。そのひとつがギヤ比の高速化とプラスチックスプールであり、いずれもコンペティションに対応したものでした。

性能的にはABU 506MはABU 506のギヤ比を少し向上させただけのものです。採用されているプラスチック製の浅溝スプールは他の同サイズのモデルとも互換性があり、相互に付け替えることができます。前述の様にコンペティションなどで使用されたため、ABU 506よりも更に高速のギヤ、1:4が採用されています。またデザイン面でも、ABU 506のベルカバーに銀色の2本ラインが付け加えられています。そしてイギリス市場では細糸用のプラスチック製浅溝スプールが特別にセットされていました。

ABU 500シリーズ その後

1979年にカタログ落ちしたABU 505以外のモデルはその後も生産が継続されていましたが、1983年からは新しいデザインのモデル、ディプロマット601/602が登場してきます。それにつれ旧型のモデルは姿を消し始め、先ず1983年にはABU 503と507/508が、そして1984年にはすべての旧型モデルがカタログから姿を消します。

上記の記述の中には、私の不勉強から来る誤りが沢山含まれている可能性があります。誤りを発見された方で、それを正してやろうと思われた方は是非私までメールでお知らせください。謹んで拝聴させて頂くとともに、すぐに誤りを訂正したいと思っております。


ご連絡は webmaster @abumania.com まで




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