始めに断っておきたいのだが、僕はいわゆるレアものコレクターではない。むしろ他のコレクター連中にはソッポを向かれてしまうような、ありふれたモデルが一番好きだったりするのである。

しかしどういう弾みでか、これは珍しいんじゃないの?という個体に遭遇することがままあったりして、それでも普段は「フ〜ン」くらいで済ませている僕でも、つい大枚はたいて手にとってみたりしたくなることがあるのである。

という訳で、最近入手した5600Cプロトと思われる個体を紹介しようと思う。なぜ僕がこれをアブのプロトと考えているかについては、レアレアのページを参照していただきたい。つまり全く同じ仕様と思われるものに僕は以前にもお目にかかったことがあり、したがってこれを見つけた時にも「ハハ〜ン」と思ったという訳なのである。

話は変るが、5600Cはプロトの多い個体である。以前ニューヨークに住んでいるという方から、サムバーがアルミでできている5600Cを見かけたことがあるという情報をいただいたことがあった。当時はホントかな?誰かの改造じゃないのかな?とチョッピリ疑いはしたものの、ご存知の通り5600Cのサムバーはフレームに組み込みになっている。わざわざバラして新しいサムバーを取り付けるなんて酔狂は、余程の覚悟がないとできない相談なのである。という訳で、僕はこのアルミバーの5600Cもまた、何かの意図を持ってアブにより製造されたプロトタイプであると信じる。何かの意図だなんて、すぐにヒビの入る赤ベロ改良のために決まってるじゃないの、という声がありますが・・・・(^_^;)

さて、前置きばかりが長くなってしまったので、お後は画像ばかりを並べて見ようと思う。わずらわしいとは思いますが、簡単な僕のコメント付き。ではごゆるりとご覧あれ(画像が重くてゴメン)。


レベルワインダーの所に張り出したイカツイ出っ張りと、そこに取り付けられた二本のバーが、このリールの特徴である。でもハンドル側の機構に関して言えば、全く普通の5600Cと同じもの。

反対側から見ると、なんとサイドプレート下部に大きな穴が・・・・・。そうです。完品ではないんです。(T_T)

横から見るとこんな感じ。注目すべきは、モデルネーム表示とインジケーターダイヤルがないこと。下部のブレーキノブもないせいで、ツンツルテンの印象があります。下部の穴は、本来(マグネット?)ブレーキ調整用のノブが付いていた筈。詳しくはレアレアのページ参照(チョットしつこすぎたか)。

で内部はというと、このようになっておる。構造を簡単に言えば、つまりキェリエージから出て行くラインがピンと張っている間は、横バーが持ちあがってスプールの回転がフリーになり、通常のモデルと同様の動作をする。逆にスプール回転が遅くなりすぎてラインがたるむ(バックラッシュしそうになる)と、横バーが下がってブレーキがかかり、スプール回転を自動的にストップさせるというもの。この摩擦を加える部分を取り付ける為か、レベルワインダーのロックプレート先端が短く切り取られていることにすでにお気付きだろうか。

取り外した左プレート。ブレーキノブ用の切り込みは、チョット変わった形に穿たれている。頭に角の生えたようなこの形は、例えて言えば鉄腕アトムか、日本昔話に出てくるオンブおばけ型?付いているコグホイールがオリジナルかどうかは、疑問の残る所。中央のギヤが真鍮製の古いタイプだ。組み替え?それともどうでもいい余ったパーツをアブが流用した?本当の答えは他の固体と比較してみないとわからない。

左フランジの異常に出っ張ったスプール。もちろん摩擦が加わる部分だからである(そして内側はディスクブレーキのパッドが接触する部分であった可能性も)。外縁と内周が白くなっているのは、磨耗により黒塗装が剥げてしまったからだ。レベルワインダーを駆動するスプールのピニオンギヤも、チョット変形のもの。本来はクリッカーのためのギヤが付いている部分はツンツルテン。普通の5600Cには見受けられないタイプ。

出っ張り部分は後付けではなく、インナープレートとしてフレームと一体になっていることが分かる。これが僕がプロトであると信じる理由。インナープレートには継ぎ目がなく、完全な1枚の板としてパーツが生産されたことが分かる。両サイドに突き出ている黒いポッチはプラスチック製で、横バーが上がりすぎることを防ぐためのストッパー。

さぁて、注目のフットナンバーは?このリールのナンバーは18。おそらくシリアルナンバー(通し番号)であろうと思われる。しかも刻印ではなく、メッキをリューターか何かの工具で削り取ったような感じだ。デコボコしていて、いかにも機械ではなく人間の手でやりましたという感じ。文字は整然とした印象ではない。

エー、重たい画像のロード、どうもご苦労様でした。余談になりますが、この変な横バー、実は同じようなものをアブ以外でも見かけたことがある。確か1950年代のアメリカのメーカーのものではなかったかと書籍を引っ掻きまわしていたら、出て参りました。という訳で、もういっちょう重たい画像をお見舞いしようというのであります。


コイツが、先ず僕の頭に浮かんできたMargis。そう、つまりアンチバックラッシュ用のアタッチメントという訳です。コイツをリールの上部に取り付けると、バックラッシュしなくなるという。ホンマかいな。アンバサダーのアンチバックラッシュ、僕は使ったことがないんですけど。ホントに利くの?誰か使っている人がいればジックリその辺の本音を聞いてみたいです。

でですね。しつこいかもしれないですけど、そもそもこの仕組みのご本家はどの辺りにあるのかと探ってみた。すると、こんなのが見つかっちゃったんですねぇ。特許を取っているのでここがご本尊だと思うのですが、いかがなものでしょうか?


これによると、なんと特許認定は1905年9月5日となっております。ウ〜ン、チョットビックリしたぞ。およそ1世紀も前ではないか。それにしても僕の記憶なんて、全然当てにならないよね。ちなみにこの2枚の画像は、僕が以前所属していたORCAの機関紙から勝手にパクって参りました。怒んないでよね、会長サン。ともあれ人類というものは、1世紀も前からバックラッシュと戦うべく心血を注いでおった訳でありますぞ。皆の者、ご先祖様を大切にな。(特にシマノまんせーなんて言ってる最近の若い奴)





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